もともとはバラ色ダンディで宇多丸さんが取り上げていたので、興味を持ったんですよね。僕自身はロッキーはなんとなく知っている程度で、観たこととかは特にありません。ですが、そんな僕ですら熱くなってしまうような映画でした。

この映画はアドニスクリードという青年が主人公。アドニスのお父さん、アポロクリードは昔ロッキーと闘ったライバルであり親友。最終的にはリングの上で死んでしまったそうです。詳しくはこちら参照で。

雑草育ちではないという男の葛藤

まずはこのアドニスの設定が良かったですね。アポロと愛人の息子であり、施設育ち。その後お父さんの正妻に引き取られ、何不自由なく育つ。だからボクサーとしては、何不自由なく育った自分に対して葛藤があるんです。ここら辺って凄く普遍的な葛藤ですよね。メアリーの元でエリート教育されたアドニスは一流企業の社員になっている。しかし伝説のボクサーだったお父さんの息子であるアドニスは潜在的な闘争本能を抑えられず、休日は会社に内緒でメキシコの地下ボクシングで連戦連勝という日々。夜なんかお父さんアポロの動画をタブレットで見て、シャドー始めちゃったり。ボクサーっていう役だとギャングっぽかったり、悪そうだったりするんですが、アドニスは全然そんなことないんです。凄く好青年。黒人の長谷部誠(元サッカー日本代表)みたいな感じ。そこが凄く良いんですよ。

主人公たちに負けない印象のビアンカ

アドニスと恋仲になるビアンカという女の子がいるんですが、進行性の難聴なんです。いずれ耳は聴こえなくなる。でも彼女は補聴器を付けながら、クラブで歌を歌うセミプロのミュージシャン。「好きなことを精一杯やるだけ」と言い切る。

アドニスは自分の親がアポロだと世間に知られない為に、クリードの名は伏せてリングに上がっていたのですが、ビアンカに「あなたはアドニスクリードなんでしょ?だったら名乗ればいいじゃない。」と言う。

ビアンカの言葉は一つ一つ心に響くんですよね。自分の気持ちに正直に生きるってやっぱ大事だよな。そうだよなって。

圧倒的な演出のカッコよさ

クリードは脚本が良くできてるなって思いました。基本は人間ドラマなんですよね。冒頭にも触れましたが、アドニスが自分の生い立ちに葛藤があるんです。お父さんの名前を出して負けたくない気持ち、親の七光りと言われてしまったり、メアリーの元で何不自由なく育った自分にボクサーとしてコンプレックスを抱えていたり。

お父さんのアポロは自分が産まれる前に死んじゃっているので、父親を知らない。そんな中で孤独になったロッキーと出会うんです。劇中でロッキーがガンになることで、お互い相手の闘いのセコンドにつくような展開に。ラストのコンランとの試合に向け、全て収束していく感じが上手いんですよ。

最後のコンランとクリードの試合は、試合前の入場シーンから熱かったですよね。ガンガンラップミュージック掛けて煽ってくる演出も好きです。ボクシングのシーンはとにかく大迫力。凄まじくカッコいいです。1ラウンド目でコンランが余裕の表情を見せる仕草は、過去のロッキーを知っている人ならデジャブで痺れるところなんでしょうね。クリードは決して商業目的で作られたというわけでなく、ロッキー愛に満ちた作品なんだろうなというのが、ロッキーを観たことのない僕にもわかりました。

子どもの頃、ジャッキーチェンの映画を観た後は、ジャッキーになった気分で映画館の外に出たものですが。クリードを観た後は、ついついシャドーをやってしまいましたww 体鍛えようかなとかww

こういうシンプルでカッコイイ映画、大好きです。純粋にパワー貰えて、今を生きる僕達に力を与えてくれる映画だと思います。僕達の世代からだって何かを生み出す、作り出すことができる。そんな気持ちにさせてもらえました。




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